危険性や誤解が先行しがちなセンダンですが、樹木単体として観察すると、四季折々でダイナミックな表情を見せる非常に個性豊かな植物です。
野外での見分け方と季節の変遷
センダンを同定する際の見分けポイントは、葉の形状と季節ごとの特徴的な変化にあります。
- 葉の特徴:初夏に展開する葉は「2〜3回奇数羽状複葉」と呼ばれる大型の複葉で、小葉の縁には鈍いギザギザ(鋸歯)があります。葉全体で長さ30〜60cmにも達し、涼しげな木陰を作ります。
- 花(5月〜6月):新葉が茂ると同時に、淡い紫色と白色がグラデーションになった直径2cmほどの小さな星形の花を、円錐状にびっしりと咲かせます。近くに寄るとジャスミンに似たほのかな甘い香り(青い芳香)を放ちます。
- 実(10月〜翌年2月):秋になると葉が黄色く黄葉して落葉しますが、楕円形の実は落果せずに枝に残り続けます。冬枯れの青空を背景に、無数のクリーム色の実がたわわに実る姿は、センダン特有の冬の景観です。
センダンの花言葉「意見の相違」「物思い」の背景
センダンに与えられた花言葉は「意見の相違」「物思い」です。
「意見の相違」という一見穏やかではない花言葉は、前述した「芳香を放つ高貴な白檀と、香りを持たない自生のセンダンとの混同」や、美しい花を咲かせながらも強い毒性を持つという二面性に由来していると考えられています。また、冬の寒空の下、葉をすべて落とした大木に実だけがポツンと残る寂寥感あふれる姿から「物思い」という情緒的な言葉が結びつけられました。