観光客の間で頻繁に混同されるのが、「よこすか海軍カレー」と「横須賀海自カレー」の区別です。この2つは名前が似ていますが、歴史的ルーツも味の設計思想もまったくの別物です。
よこすか海軍カレーの定義:
1890年代〜明治期に日本海軍で導入された『海軍割烹術参考書』(1908年発行)の調理法を忠実に再現したものを指します。イギリス海軍から伝わったシチューを原型とし、小麦粉を炒めてルウを作り、牛肉または鶏肉、人参、玉ねぎ、じゃがいもを使用することが厳格に定められています。横須賀市内でしか名乗ることができない地域団体商標であり、原則として「牛乳」と「サラダ」をセットで提供するルールが存在します。
横須賀海自カレーの定義:
現在活動している海上自衛隊の各艦艇・部隊(護衛艦ゆうぎり、潜水艦せとしお等)で毎週金曜日に隊員たちへ提供されている秘伝レシピを、市内の飲食店が直接指導を受けて公認・再現したものです。艦艇ごとに隠し味(チョコレート、コーヒー、すりおろしリンゴ、赤ワインなど)が異なり、極めて濃厚で現代的なスパイス感が特徴です。
歴史ロマンを感じる素朴で優しい洋食の原点を味わいたいなら「海軍カレー」、パンチの効いたコク深い現代最高峰のカレーを味わいたいなら「海自カレー」を選ぶのが、失敗しないためのセオリーです。