治療経験者が赤裸々に綴る「歯列矯正 後悔ブログ」の数々を詳細にテキストマイニングすると、失敗を訴える人々の軌跡には酷似した共通パターンが浮かび上がります。多くは「治療開始から1年半前後の段階で違和感を覚え始めた」と証言しています。
ブログ主たちの手記には、次のような悲痛な記述が頻出します。
「Eラインの基準線に唇を収めることばかり意識していた。いざ装置が外れると、横顔は直線的になったものの、正面から見ると老婆のように口元が落ち窪み、笑っても歯が見えにくくなった」
「周囲から『痩せた?疲れているの?』と心配される回数が増え、手放しで笑顔を見せられなくなった」
こうした告白とともに投稿される歯列矯正の失敗写真を検証すると、共通しているのは「歯列弓(アーチ)の過度な狭窄」と「前歯の舌側傾斜」です。歯を後方へ引き戻す際、歯根ごと平行移動(ボディーストラクション)させずに頭部だけを内側へ倒し込んでしまった結果、舌の収まる容積(舌腔)が圧迫され、口唇を支えるテンションが根底から崩壊しています。
特に近年トラブル報告が増加しているのが、インビザラインによる老け顔症例です。マウスピース型矯正装置は前歯を内側に倒し込む動きを得意とする反面、歯根の精密なトルク制御には熟練した技術を要します。経験の浅い歯科医がクリンチェック(3D治療計画)の自動作成シミュレーションを過信し、抜歯スペースを埋めるために前歯を過剰に内傾させた結果、唇のサポートを完全に喪失する事故が起きています。