SNSやネット掲示板、知恵袋などで長年語り継がれている奇妙な噂の筆頭が、「スライスした生の玉ねぎを脇の下に一晩挟んで寝ると発熱する」という言説です。一部の体験談ブログでは「翌朝測ったら見事に37.8度まで上がった」といった報告が散見され、半信半疑の読者が実践するケースが後を絶ちません。
脇に玉ねぎの噂とネットの反応を皮膚科学および生理学の観点から検証すると、この現象の正体は全身の発熱ではなく、玉ねぎに含まれる刺激性物質「硫化アリル」による極度の局所刺激と接触皮膚炎(かぶれ)です。刺激成分によって脇の下の毛細血管が拡張し、局所的な血流が増加して皮膚表面温度が一時的に上昇することはあります。しかし、脳の視床下部が設定温度を引き上げる医学的な発熱とは全くの別物です。
実際に試したユーザーの手記やSNSの告白を追跡調査すると、「皮膚が赤く腫れ上がり、激しい痒みと悪臭でそれどころではなくなった」「体温計を挟んだら脇の表面だけが熱くなって37.2度と出たが、体調はただ皮膚が痛いだけ」という無残な結果が大半を占めています。臭気や皮膚の炎症によって周囲に不審がられ、仮病どころか皮膚科への通院を余儀なくされるケースすら報告されています。
一方で、体温計の数値を上げる方法として紹介される「センサー部分を手のひらや毛布で激しく摩擦する」「人肌程度のお湯につける」「ホットココアを飲んだ直後に舌下で測る」といった物理的細工も横行しています。しかし、現在のデジタル体温計は急激な温度変化を検知するとエラー表示(「Hi」や測定不能エラー)を出す仕様が主流であり、仮に37度台後半を捏造できたとしても、実際の脈拍数や皮膚の乾燥状態、血圧といったバイタルサインとの矛盾から、医療機関や家族には容易に見破られます。