初夏の「初ガツオ」がさっぱりとした赤身の旨味と清涼感を楽しむものであるのに対し、秋にかけて三陸沿岸を南下してくる個体は、全身に霜降り状の脂を蓄えた「戻りカツオ(トロガツオ)」へと変貌を遂げます。気仙沼戻りカツオ旬の時期と入荷情報に照らし合わせると、例年8月下旬から10月中旬が脂乗りの頂点とされます。
水産関係者の予測によれば、2026年シーズンは餌となるイワシの群れが三陸沖に濃密に分布しているため、例年以上に魚体の太りが早く、皮下に白い脂の層をまとった特級品が多数揚がる見込みです。地元・気仙沼では毎年9月に市内飲食店が一斉に腕を振るう「カツオフェア」が開催されますが、今年は日本一奪還の祝賀ムードも重なり、市内各所での提供体制は例年以上の盛り上がりを見せています。
地元の漁師や市場関係者が口を揃える通の食べ方は、「すりおろしニンニクを溶かした醤油に、たっぷりの和がらしを添える」スタイルです。脂の乗った戻りカツオの濃厚な旨味を、和がらしのツンとした辛味が引き締め、マグロの中トロをも凌駕する至福の味わいを生み出します。