布団の中で目を閉じても、会議室の緊迫した空気や未処理のタスクが頭から離れず、夢の中でもパソコンに向かっている――このような現象に悩まされている場合、真っ先に疑うべきは仕事の夢ばかり見るストレスによる脳のオーバーヒートです。
睡眠医学の観点から見ると、人間は「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」を周期的に繰り返しています。通常、夢は記憶の整理や感情の処理が行われるレム睡眠中に多く見られます。しかし、日中に強い緊張やプレッシャーを受け続けると、リラックスを司る副交感神経が十分に機能せず、自律神経の乱れによる症状として交感神経が優位なまま夜を迎えることになります。
その結果、眠りが極端に浅くなり、脳が休息モードに入れないままレム睡眠の割合が異常に増加します。睡眠クリニックの専門医らへの取材によると、日中の強い不安や恐怖、責任感といった感情が脳の扁桃体を刺激し続けるため、睡眠中も「危険に対処せよ」という命令が出され、仕事のトラブルを模した夢を強制的にシミュレーションさせられてしまうのです。
「夢の中でも働いているのだから、疲れて当然だ」と放置するのは極めて危険です。これは脳の冷却システムが完全に故障し、オーバーヒートを起こしている明白な警告信号といえます。