隔離を行う際、もっとも重要となる作業が「有精卵」と「無精卵」の確実な選別です。産卵床や水草から卵を回収した際、無精卵が混ざったまま密閉容器に入れると、そこから発生した綿状の水カビが健康な有精卵にまで瞬く間に燃え移り、すべての卵を窒息死させてしまいます。
「卵を素手で触ると潰れてしまうのでは」と恐れる飼育者が大半ですが、実は健康な有精卵は驚くほど頑丈な構造をしています。有精卵と無精卵の見分け方には、明確な物理的・視覚的境界線が存在します。
実践的なメダカ産卵床からの卵の取り方としては、セリアやダイソー等の100円ショップでも手に入る研磨剤なしのタワシや産卵草から、卵を指で優しくつまみ取る作業が基本です。卵の表面には他の水草に絡みつくための「付着糸」と呼ばれる粘着性の糸が無数に伸びています。手のひらや清潔なキッチンペーパーの上で卵同士を優しくコロコロと転がすことで、この付着糸を絡め取って一粒ずつ分離(クリーニング)させます。バラバラにすることで酸素の行き渡りが均一になり、孵化率が劇的に跳ね上がります。