結成から約20年、社会現象となったポニョの狂騒から長い年月が流れた現在も、二人の足跡は途絶えていません。博報堂を退職した藤巻直哉は、映画プロデューサー、コメンテーター、エッセイストとして独自のポジションを築き、飄々とした語り口でメディアに登場し続けています。一方の藤岡孝章も、音楽プロデュースや後進の育成、トークライブなど、生涯現役の音楽人として活動を継続してきました。
散発的なライブ活動やメディア出演のたびに、オールドファンのみならず、サブスクリプションで彼らを知った若い世代が客席を埋める現象が起きています。彼らがかつて歌った「先行きの見えない不安」「経済成長から取り残された男たちの哀愁」は、皮肉にも時代が進むにつれて全世代的なリアリティを獲得してしまいました。
藤岡藤巻が提示した「おやじフォーク」とは、老いることを恐れる現代人に対する、もっとも泥臭く、もっとも優しい処方箋だったと言えます。