アスリートの性事情を語る上で欠かせないのが、男性ホルモンであるテストステロンと筋力・攻撃性の関係です。一部の格闘家やボディビルダーの間では「射精によってテストステロンが失われる」という俗説がありますが、内分泌学的な検証では射精直後に血中テストステロン濃度が急落する現象は確認されていません。
むしろ重要なのは、自律神経系への作用です。オーガズムの瞬間には交感神経が急激に高まりますが、直後にはオキシトシンやプロラクチンといったホルモンが分泌され、副交感神経が優位になります。これによって深いリラクゼーション効果と睡眠促進が得られるため、試合前の極度の緊張や不安を緩和するセルフケアとして機能するケースがあります。
反対に、瞬発的なアグレッシブさや爆発的な闘争心を最優先すべきコンタクトスポーツの選手においては、交感神経をあらかじめ昂らせておくルーティンを選択する方が心理的にマッチする場合もあり、競技特性と個人の気質に応じた使い分けが求められます。