太刀魚を美味しく調理するための第一歩は、素材の状態を正しく見極めることです。店頭や釣り場で確認したい太刀魚の鮮度の見分け方として、最もわかりやすい基準は体表の輝きと目の透明度です。新鮮な個体は鏡のように眩しい銀色をしており、目が黒々と澄んでいます。鮮度が落ちると銀色の輝きが鈍ってくすんだ灰色になり、目が白濁して腹部が柔らかく緩んできます。
調理台に置いたら、まずは表面の汚れと余分な水分を落とす下準備を行います。太刀魚の体表を覆う銀色の層は「グアニン」と呼ばれる成分で、一般的な魚のような硬いウロコではありません。この太刀魚の銀箔とぬめりの処理において、銀箔をゴシゴシと擦り落とす必要はありません。銀箔の下には良質な脂と旨味が凝縮されているため、流水で表面の薄いぬめりと汚れを優しく洗い流し、清潔なペーパータオルでしっかりと水気を拭き取るだけで十分です。
体表に過度なぬめりや臭みがある場合は、包丁の刃の背(峰)を使って尾から頭に向かって軽く撫でるようにぬめりだけをこそげ落とします。表面の水気を完璧に除去しておくことが、この後の包丁の滑りを防ぎ、身割れを防ぐ重要なポイントになります。