ゴン太くんの代名詞ともいえる「フゴフゴ」「ゴフゴフ」という鼻にかかったような独特の鳴き声。一見すると特殊なシンセサイザーや電子音サンプラーで作られた効果音のように思われがちですが、その正体は「カズー(Kazoo)」と呼ばれる小型の膜鳴楽器を用いた肉声による生演奏です。
カズーは、金属やプラスチック製の筒に小さな膜(振動板)が張られており、演奏者が口にくわえて声を発すると、その声帯の振動が膜に共鳴して独特の buzz(バズ)音を生み出します。ゴン太くんの声を担当したのは、声優の井上理恵氏をはじめとする専門スタッフでした。ブースに入った声優がモニターに映るゴン太くんの動きに完全に同期させながら、カズーを通して自らの声で感情を吹き込んでいたのです。
事前に録音された音声を流すポン出し(サンプラー再生)ではなく、スタジオ収録の現場でアフレコとして当てていたため、ノッポさんのアドリブやハプニングに対しても即座に「驚き」「喜び」「落胆」といった豊かな感情のニュアンスを乗せることが可能でした。電子音では決して出せない人間味あふれるグルーヴ感こそが、半世紀近く経っても色褪せないゴン太くんの生命感の源泉となっています。