パルムドールとは?歴代日本人受賞作と審査の裏側・米オスカーとの違い

パルムドールとは?歴代日本人受賞作と審査の裏側・米オスカーとの違い

パルムドールとは?歴代日本人受賞作と審査の裏側・米オスカーとの違いについての真相をご紹介します。

映画界の二大巨頭とも言える「カンヌ国際映画祭のパルムドール」と「米アカデミー賞(オスカー)作品賞」。同じ最高峰の映画賞でありながら、その選考理念や評価軸は根本から異なります。

映画産業のビジネスとエンターテインメント性を基盤とするアカデミー賞に対し、パルムドールは「作家主義(Auteurism)」と「映画言語の革新性」を何よりも重んじます。両者の本質的な差異を整理した以下の比較データをご覧ください。

比較項目カンヌ国際映画祭「パルムドール」米アカデミー賞「作品賞」編集部の見解・評価選考主体の規模審査員長を中心とする8〜9名の映画人映画芸術科学アカデミー会員約1万人少数による合議制か、大規模な無記名投票かという構造差。審査基準・評価軸作家性、芸術的挑戦、時代への批評性エンターテインメント性、興行力、業界調和パルムドールは万人受けを狙わない前衛的な傑作を果敢に拾い上げる。授与対象監督(作家個人への授与)プロデューサー(製作陣全体への授与)監督を「映画の真の作者」とみなすフランスの伝統が反映。対象作品の公開状況世界初上映(ワールドプレミア)が原則対象年度内に劇場公開された既公開作カンヌは「未知の才能の発見」、オスカーは「年間の総決算」。

かつては「カンヌを制した作品は難解で米オスカーには届かない」と言われていましたが、2019年のポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』がパルムドールとアカデミー賞作品賞のダブル受賞を達成したことで、世界の映画評価の潮流に劇的な地殻変動が起きました。それでもなお、ハリウッドの巨大資本から独立した作家の気概を最も純粋に評価する場として、パルムドールの独立性は強固に保たれています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。