1997年に佐野陽光氏によって創業されたクックパッド株式会社は、個人の家庭料理の記録を社会全体の共有知へと昇華させた。台所という極めてプライベートな空間から生まれた知恵がデジタル上で集積され、今日の巨大なフードテック産業の礎を築いた功績は計り知れない。
単なるレシピの閲覧にとどまらず、ビッグデータを活用した食材トレンドの予測や買い物支援サービスなど、食にまつわるエコシステム全体をテクノロジーで再構築する試みが続いている。一般ユーザーによる日々の試行錯誤がデータとなり、それがまた別の誰かの食卓を救うという循環モデルは、今なお色褪せない価値を放っている。