映画界で確固たる地位を築いた彼女が、テレビドラマの歴史にも巨大な足跡を残したのが、日本テレビ系列で1972年に放送開始された『太陽にほえろ!』である。彼女が演じたのは、七曲署の少年係刑事であり、お茶の間に愛された初代ヒロイン「シンコ」こと内田伸子役だった。
それまでの刑事ドラマといえば、男性臭い無骨な世界観が主流だった。しかし、彼女のしなやかで凛とした存在感は、過酷な事件現場を描く物語の中に鮮烈なオアシスのような清涼感をもたらした。ショーケンこと萩原健一が演じたマカロニ刑事との甘酸っぱくも切ないやり取りは、当時の若者文化のシンボルとなり、最高視聴率を次々と塗り替える原動力となった。
現場でのエピソードも伝説的だ。多忙を極める撮影スケジュールの中、主演級のキャスト陣とも対等に渡り合い、役柄としての純粋さと芯の強さを共存させた演技は、今なお語り継がれる傑作の基礎を作り上げた。