家具量販店や専門店で天然木を使用したベッドフレームを探すと、シングルサイズでも2万円から4万円前後が相場です。しかし、タンスのゲンの主力商品である天然木パイン無垢材すのこベッドは、1万円を下回る価格帯から展開されています。消費者が「安すぎて品質に問題があるのではないか」と疑問を抱くのも無理はありません。
業界の流通構造を取材すると、この低価格には明確な3つの理由が存在します。第1に、企画から製造・輸入・EC販売までを一貫して自社で統括するD2C(Direct to Consumer)モデルの確立です。卸問屋や実店舗の仲介手数料、百貨店などのテナント料が一切発生しないため、製品原価に近い価格設定が可能となっています。
第2に、家具の街・福岡県大川市で培われた木材調達ネットワークとスケールメリットです。年間数十万台規模の木材・部材を一括調達することで、無垢材でありながら大幅な仕入れコストの圧縮を実現しています。
第3に、梱包サイズの極限までの小型化による物流費の削減です。ベッドフレームを細かく分割設計し、1箱またはコンパクトな2箱に収めることで、大型家具配送に伴う高額な個別送料を抑制しています。つまり、「粗悪な素材を使っているから安い」のではなく、「中間流通と物流の無駄を極限まで削ぎ落とした結果の安さ」であることが構造分析から浮き彫りになります。