春先、頭上近くをホバリングしながら人間や通りかかる鳥、小石などに勢いよく飛びかかってくるクマバチに遭遇した経験を持つ人は多いはずです。しかし、この威嚇行動のような動きを見せている個体の99%以上は「オス」であり、そもそも毒針を持っていません。
蜂の毒針は産卵管が防御用に変化した器官であるため、生物学的にオスには針そのものが存在せず、どれほど近づいてこようとも物理的に刺される危険はゼロです。オスが執拗に対象を追尾するのは、自分の縄張りに侵入してきた動くものを「メスかどうか確認するため」に近づいているに過ぎません。
現場で瞬時にオスとメスを判別するための決定的な見分け方は以下の通りです。
【オスの特徴(刺さない)】
顔面の中央(複眼の間)に、鮮やかな黄色または白色の三角形の斑紋が存在します。頭部正面が黄色っぽく見える個体はすべてオスであり、刺される心配はありません。
【メスの特徴(刺す危険あり)】
顔面全体が完全な漆黒(真っ黒)です。メスは枯れ木や竹筒に円形の穴を掘って単独で巣作りを行い、花粉集めに専念しています。非常に大人しく、手で握り締めたり、靴の中に入り込んだ個体を踏みつけたり、巣穴を直接指でほじくったりしない限り、自ら人間に向かって刺しにくることはありません。