判別式とは、2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$(ただし $a \neq 0$)において、解を具体的に求めずに「解の種類や個数」を識別(判別)するための式です。英語の「Discriminant(識別するもの、判別するもの)」の頭文字を取って、大文字の「$D$」というアルファベットで表されます。
なぜ文字$D$の符号を調べるだけで解の個数がわかるのか、その答えは中学生で習う「2次方程式の解の公式」の中に隠されています。解の公式を今一度確認してみましょう。
$$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$$
この式を注意深く観察すると、解の符号を左右している核心部分が「$\pm \sqrt{b^2 - 4ac}$」であることが明白になります。このルート(根号)の中にある式こそが、判別式 $D = b^2 - 4ac$ の正体です。
数学の世界において、実数の範囲ではルートの中にマイナスの数値が入ることは許されません。ルートの中身が正なのか、ゼロなのか、それとも負なのかによって、$\pm$ の後ろに続く数値の性質が完全に変化します。これこそが、判別式がルートの中身そのものである決定的な理由です。