スマートフォンの画面を眺めながら街を歩く観光客は、食べログの高得点やじゃらんnetのランキングを信じ切って買い回る。だが、そこには数字が決して明かさない決定的な盲点がある。それが「製造からの時間経過による味の劣化スピード」だ。
店頭で手渡される熱々の一個と、自宅に持ち帰って翌々日に開ける箱の中身は、物理的にも化学的にも別物である。多くの老舗が無添加・保存料不使用を貫いているため、皮のデンプンは時間とともに急速に老化(再結晶化)し、独特のパサつきを生む。日持ちを優先して脱酸素剤入りの密封包装を採用する店と、風味を最優先して消費期限をわずか3〜4日に設定する店。賞味期限の長さだけで選ぶと、本来の感動を逃す罠に陥る。