霊長類学や人類学の第一人者として多忙を極める夫を、妻は独自の距離感で静かに支え続けてきた。山極氏が提示する「言葉に頼りすぎないコミュニケーション」や「身体を通じた共感」といった学術的テーマは、実は妻が描く絵画表現とも密接に響き合っている。
彼女の作品には、静寂の中に潜むエネルギーや、自然界の息遣いを漂わせる独特の抽象性がある。山極氏自身も妻の個展や制作活動を深く尊重しており、家の中に飾られた作品から新たな研究のインスピレーションを得ることも少なくないという。お互いの専門性を侵すことなく、精神的な居場所を担保し合う日常がここにある。