そもそも、なぜお守りはこれほどまでに重んじられるのだろうか。その答えは、日本の神道における「神威の分霊」という考え方にある。
日本全国の神社の頂点に位置し、皇室の祖神である天照大御神を祀る伊勢神宮。あるいは、学問の神様として受験生や研究者から絶大な信仰を集める菅原道真を祀る全国の天満宮。これらの神社で授与されるお守りや神札は、ただの記念品ではない。祈祷を通じて神様の御霊(みたま)が分けて宿された、いわば神様の「分身」なのだ。
神道では「穢れ(けがれ)」を極度に嫌い、「清明(せいめい)」を重んじる。天照大御神の授ける光のようなご利益も、菅原道真が授ける知恵の加護も、それを授かる側が清らかな状態と敬意を保ってこそ発揮される。お守りを扱う姿勢は、そのまま神様に対する向き合い方を表しているのだ。