ゴルフクラブのバランスとは、振った際にゴルファーが感じる「ヘッドの効き具合(相対的な重さ)」を記号化したものであり、正式には「スイングウェイト」と呼ばれる。この概念は1930年代にロバート・アダムスによって考案され、現在も世界共通規格として14インチ法(グリップエンドから14インチ=約35.56cmの支点でクラブをシーソーのように測る測定法)が採用されている。
表記は軽い順に「A0」から始まり、「B」「C」「D」「E」とアルファベットが進むごとにヘッド側のモーメントが増加する。さらに各アルファベット内で「0」から「9」までの10段階に細分化されており、一般的な成人男性向けクラブでは「C9」から「D3」あたりが標準的なレンジとして流通している。
ゴルフクラブバランス測定計算の力学的原理は至ってシンプルだ。支点(14インチ地点)からヘッド側にかかるモーメントと、グリップ側にかかるモーメントの釣り合いを計測器のスケール上で読み取る。ここで留意すべきは、これが「静止状態での重量バランス」を測っているに過ぎないという点だ。スイング中にヘッドが描く円運動の負荷(動的慣性モーメント)を完全に反映しているわけではないという事実は、現代のフィッティングにおける最重要の前提知識となっている。