右側の腹痛で最も警戒すべき代表格が「急性虫垂炎(いわゆる盲腸)」と「胆嚢炎(たんのうえん)」です。どちらも早期に適切な処置を行わないと腹膜炎を併発し、命に関わる事態に発展するリスクがあります。
虫垂炎(盲腸)の初期症状と経過のパターン
虫垂炎の初期症状における最大の特徴は、「痛む位置が時間とともに移動する」点です。発症初期は「みぞおち周辺の不快感や胃痛」「軽い吐き気」として現れることが多く、胃腸炎と自己判断して見過ごされがちです。しかし、半日から1日ほど経過すると炎症が広がり、痛みは徐々に右下腹部へと集約していきます。
さらに進行すると、右下腹部を押してパッと手を離した瞬間に痛みが強く響く「反跳痛(ブルンベルグ徴候)」や、歩くときの振動でお腹に激痛が走る状態になります。この段階では虫垂が破裂寸前(穿孔)である可能性が高く、一刻を争います。
胆嚢炎・胆石症の特徴:脂っこい食事後の激痛
一方、お腹の右上が痛む代表例である胆嚢炎は、胆のうの中にできた結石が胆管に詰まることで発症します。典型的な発症のタイミングは「揚げ物や肉料理など、脂質の多い夕食を食べた数時間後」や「深夜」です。右季肋部(右の肋骨の下あたり)が締め付けられるように激しく痛み、右肩や背中・肩甲骨周辺にまで痛みが広がる(関連痛)のが特徴です。発熱や黄疸(白目や皮膚が黄色くなる症状)を伴う場合は重症化のサインです。