人狼表現の歴史を語る上で避けて通れないのが、1981年に公開されたジョン・ランディス監督による名作『狼男アメリカン』だ。同作が見せつけた特殊メイクアップによる変身シーンは、当時のホラー映画界に革命をもたらし、アカデミー賞メイクアップ賞を新設させる原動力となった。
皮膚が引き裂かれ、爪が伸び、苦悶の叫びが遠吠えへと変わるシークエンスは、いま見返しても息を呑むほどの緊迫感を放つ。この画期的な視覚演出が確立されたことで、月夜の変身という概念は視覚的リアリズムを伴って大衆の記憶に深く刻み込まれることとなった。