トップサイエンティストが潤沢な報酬を得る一方で、現場で実質的な実験や論文執筆を支える若手層には厳しい現実があります。任期付き研究員である理化学研究所のポスドク年収は、採用区分によって幅があるものの、概ね年俸450万〜600万円前後が相場です。
理研独自のフェローシップである「基礎科学特別研究員(SPDR)」などに採択されれば、月額50万円弱の基本給に加え、年間100万円程度の研究費が個人に支給されるなど国内ポスドクとしては手厚い待遇が用意されています。しかし、プロジェクト雇用のポスドクの場合は単年度契約や数年ごとの更新が基本であり、ボーナスのない純粋な年俸制となるケースも少なくありません。
さらに近年、学術界で激しい議論を呼んでいるのが理研における雇い止めと無期雇用の実態です。労働契約法に基づく「通算10年」の無期転換ルールを前に、ポストの枯渇から契約満了による退職を余儀なくされる事例が報告されており、優秀な研究者が不安定な身分に悩まされる構造的なリスクは現在も完全には解消されていません。