入浴中に突然の異変を感じた際、最も危険な行動は「慌てて勢いよく立ち上がって脱衣所へ出ようとすること」です。急激な体位変換は脳血流をさらに悪化させ、浴室の硬い床や浴槽の縁で転倒・失神し、溺水や頭部外傷といった致命的な事故に直結します。
湯船の中で気持ち悪くなった場合は、以下のステップで湯船での応急処置を冷静に実行してください。
ステップ1:立ち上がらず、頭の位置を低く保つ
浴槽の縁に頭をもたれかけさせ、可能な限り頭部を低くして脳への血流を確保します。目は閉じて深呼吸を繰り返してください。
ステップ2:浴槽の栓を抜いてお湯を減らす
意識が朦朧として湯船に沈んでしまうのを防ぐため、手を伸ばして排水栓を抜きます。お湯が抜けるだけで水圧による圧迫感が軽減し、呼吸が楽になります。
ステップ3:這うようにして脱衣所へ移動し、足を高くして横になる
動ける程度まで落ち着いたら、立ち上がらず四つん這いの姿勢で浴室から出ます。脱衣所や室内の安全な床にバスタオルを敷き、クッションや丸めたタオルを足首の下に挟んで「足を15〜20cmほど高くした仰向け姿勢」で横になります。これにより、下半身に滞留していた血液が心臓・脳へと還流します。
ステップ4:常温の水や経口補水液を少しずつ摂取する
吐き気が落ち着いてきたら、冷たすぎない水やスポーツドリンクを一口ずつゆっくり飲み、失われた水分と電解質を補給します。