基本ルールは「序列第3位」ですが、宴会の目的やシチュエーションによって誰を指名すべきかは柔軟に変化します。状況を読み違えて形式通りに依頼すると、かえって不自然な空気が流れることもあるため、シーン別の違いを押さえておく必要があります。
歓送迎会の場合:主役との距離感を最優先する
歓送迎会では、主役となる人物(新入社員、異動者、退職者など)とどのような関係にあるかが人選の鍵を握ります。歓迎会であれば、主役を受け入れる直属の課長や係長といった「現場で最も近く接する上司」が乾杯を務めるのが自然です。新しい仲間を迎え入れる歓迎のメッセージを一言添え、グラスを掲げます。
一方、送別会の場合は、旅立つメンバーを送り出す側の現場代表者が担当します。定年退職など格式の高い送別会であれば、主賓(退職者)と同格の役職者や、苦楽を共にしてきた同期の幹部が務めるケースも見られます。いずれの場合も、開会の挨拶で組織トップが功績を称え、乾杯ではより血の通った現場目線のエピソードを交える構成が喜ばれます。
忘年会・新年会の場合:1年を総括する現場のまとめ役
忘年会は、組織全体の労をねぎらい、次なる1年への結束を固める場です。トップが開会で年間の業績や会社全体の成果に触れるため、乾杯の音頭は現場のプロジェクトリーダーや中堅管理職が最適です。過酷な現場を共に乗り切った仲間への感謝を端的に伝え、勢いよく杯を掲げることで、宴全体のトーンを前向きかつ開放的なものへと導きます。
結婚式・披露宴の場合:新郎新婦の来賓代表(序列第2位のゲスト)
ビジネス宴会と大きく異なるのが、結婚式披露宴におけるプロトコルです。結婚式では、媒酌人や主賓(新郎側の勤務先社長や恩師など、最も社会的地位が高いゲスト)が「主賓祝辞」を述べます。その直後に行われる「乾杯の音頭」は、主賓に次ぐ格の人物(新婦側の主賓や、新郎新婦共通の恩師・上司など)が務めるのが絶対的なルールです。社内飲み会のような「第3位」ではなく、「来賓側の第2位」が立つ点に注意してください。