被害者遺族や後遺症に苦しむ患者側は、赤穂市および執刀医に対して民事訴訟を提起するとともに、警察への刑事告訴を行いました。民事裁判においては、神戸地方裁判所姫路支部などで審理が進められ、過失の有無と後遺障害との因果関係が厳密に争われました。
裁判所は、執刀医の技術的稚拙さや注意義務違反を認め、市と医師側に連帯して損害賠償を支払うよう命じる判決を言い渡しています。裁判の過程で提出されたカルテの改ざん疑惑や、インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)の不備など、ずさんな医療管理の実態が次々と法廷で白日の下に晒されました。
一方、読者や市民から最も関心を集めているのが「医師免許剥奪」などの行政処分の進捗です。日本の法制度上、医師法に基づく医道審議会の行政処分(免許取消や業務停止)は、刑事裁判での有罪判決確定や、重大な違法行為が公的に確定した後に審議されるのが通例です。そのため、民事上の敗訴や書類送検の段階では直ちに免許剥奪に至らないという司法・行政上のタイムラグが存在し、これが「なぜ処分されないのか」という世論の強い疑問と憤りを生む要因となっています。