期日前投票に関する情報の中には、古い制度の知識が混ざり合ってネット上で拡散されている誤解が幾つか存在します。知っておくべき3つの盲点を整理します。
第1の盲点は、「住民票を移していない新天地での期日前投票はできない」という事実です。例えば、大学進学や就職、単身赴任で別の市区町村へ引っ越したものの、住民票を旧住所(実家など)に残したままにしているケースが該当します。期日前投票は「現時点で自分が選挙人名簿に登録されている自治体の投票所」でしか利用できません。この場合は期日前投票ではなく、滞在先の選挙管理委員会を経由して投票用紙を取り寄せる「不在者投票」の手続きを踏む必要があります。不在者投票は郵送でのやり取りが発生するため、投票日の数日前には手続きを開始しないと間に合わなくなるリスクがあります。
第2の盲点は、「引っ越し直後の投票権の空白期間」です。自治体の選挙人名簿に登録されるためには、原則として転入届を提出してから「3ヶ月以上」その自治体に住み続ける必要があります。転居後3ヶ月未満で国政選挙が実施された場合、新住所地では期日前投票も当日投票もできません。この場合、前の住所地に3ヶ月以上住んでいれば旧住所地の名簿に登録が残っているため、旧住所地へ戻って投票するか、旧住所地の選管から不在者投票用紙を取り寄せて投票することになります。
第3の盲点は、「期日前投票をした後に候補者が辞退または死亡した場合はどうなるのか」という点です。期日前投票は、投票箱に投函した時点で「正規の確定した投票」として扱われます。投票後に投票用紙を取り戻して書き直すことは法的に不可能です。そのため、激戦区において投開票直前の情勢変化や政策論争を最後まで見極めたいと考えている人にとっては、早すぎる期日前投票が裏目に出る可能性もゼロではありません。