『Gメン'75』を語る上で欠かせないのが、黒木警視正役を務めた巨星・丹波哲郎の存在だ。現場の絶対的なボスとして君臨していた丹波だが、若き日の藤田美保子に対しては豪快ながらも温かい眼差しを向けていたという。
NGを出しても意に介さず「大物になれよ」と笑い飛ばす丹波のダイナミックな振る舞いは、過密日程で緊張しがちだった現場を大いに和ませた。豪快なエピソードの裏で、丹波は共演者の体調や精神面を誰よりも気遣っていた。藤田は後年、丹波から学んだ「役者としての覚悟」と「現場を楽しむ余裕」が、自らの芸能生活の揺るぎない糧になったと振り返っている。