なぜ統計の現実とは裏腹に、ネット空間では定期的に「外国人の治安悪化・性犯罪増加」がトレンド入りし、炎上を巻き起こすのでしょうか。SNSのアルゴリズム解析や情報拡散の経路を追跡すると、特有のメカニズムが浮かび上がります。
第一に、個別事件における「属性の過剰報道とバイアス」です。日本国内で日本人による重大事件が発生した場合、容疑者の個人的な動機や境遇に注目が集まる一方、被疑者が外国籍である場合、「外国人全体」の問題として一般化(ステレオタイプ化)されやすい傾向があります。
大手ネット掲示板やX(旧Twitter)では、一部のアカウントが事件の一報を取り上げ、センセーショナルな見出しとともに拡散。これに対して「治安が崩壊した」「強制送還を厳格化すべきだ」といった極端な反応が連鎖し、数時間で数万リツイートに達するパターンが定型化しています。取材班が過去に話題となった拡散事例を検証したところ、海外で発生した全く無関係の暴行動画が「日本国内での事件」と偽って投稿されていたケースや、不起訴処分となった事実が報じられずに初期報道の逮捕疑惑のみが拡散され続けた事例も複数確認されました。