薬物問題の本質は、依存性という医学的な課題と切り離して考えることはできない。逮捕や判決といった司法上の手続きだけでは、薬物に対する心理的・生理的な欲求を断ち切ることは不十分であると、医療現場からは長年警鐘が鳴らされてきた。
近年では、執行猶予期間中や保釈後に専門的な医療機関や回復支援施設へ通い、プログラムを履修することが復帰への必須条件として捉えられつつある。懲罰を与えるだけでなく、科学的根拠に基づいた治療アプローチを受け入れることが、結果的に本人の再発防止と社会的な納得感に繋がるという認識が徐々に広がっている。