「このわた」の味の評判を検証すると、評価は極端なまでに二極化します。食通や酒客からは「至高の酒肴」と崇められる一方、初心者からは「どうしても受け付けない」という声が挙がることも事実です。現場の声を分析すると、その分水嶺は独特の食感と香気にあります。
肯定派が挙げる最大の魅力は、「口内に広がる爆発的な磯の旨味」と「日本酒の甘みを何倍にも引き立てる塩味」です。SNSやグルメサイトのレビューには、「舌の上でとろけるような独特のぬめりがあり、一切れで冷酒が一合消える」「カラスミとは違う、潮風をそのまま凝縮したような瑞々しい旨味がある」といった熱狂的な意見が溢れています。
反面、否定的な評価の多くは「生臭さ」と「見た目のぬめり(ドロっとした細長い形状)」に集中しています。ナマコ自体が無臭に近い生物であるのに対し、腸内を発酵熟成させているため、海の強いミネラル香と発酵臭が混ざり合います。鮮度の悪い個体や安価な混合品に当たった場合、嫌な苦味や生臭さだけが残り、トラウマになってしまうケースも見受けられます。つまり、このわたの真価を味わうには、鮮度の高い上質な本物を適切な温度と組み合わせで食すことが不可欠な条件となります。