大型ドキュメンタリー『NHKスペシャル』などで見せる、深みのあるナレーションやキャスターワークも井上アナの真骨頂だ。複雑な社会課題や歴史の深淵に切り込む番組では、単なるアナウンス技術を超えた、語り手自身の知性と人生経験が問われる。
画面上ではストイックな印象を崩さないが、後輩アナウンサーや制作スタッフの間では、物腰の柔らかい聞き上手として知られている。若手の相談に真摯に耳を傾け、時には冗談を交えて場を和ませる一面もあるという。
私生活での穏やかな暮らしが、人間としての深みとなり、重厚な番組のトーンを支える表現力へと結実している。