855電話番号の着信は詐欺?カンボジア発ワン切りと高額請求の真相

855電話番号の着信は詐欺?カンボジア発ワン切りと高額請求の真相

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ネット上やSNSでは「855に出ただけで何万円も請求された」「着信履歴を見るだけで通信料が取られる」といった真偽不明の言説が散見されます。しかし、通信インフラの技術的仕様に基づき、何が事実で何が都市伝説なのかを正確に切り分ける必要があります。

まず大原則として、国際電話であっても「かかってきた電話に出ただけ」あるいは「不在着信を放置しただけ」で受信側に通話料が課金されることは構造上あり得ません(※海外ローミング中の端末で受ける場合を除く)。日本国内の通信ネットワーク上にいる限り、着信側に通話料の請求権が発生することはないため、過剰にパニックへ陥る必要はありません。

では、なぜ「折り返すと高額請求」と恐れられているのでしょうか。そこには「国際ワン切り詐欺(ワンリングスキャム)」と呼ばれる巧妙な通信ビジネスの盲点が存在します。

発信者はコール音をわずか1〜2秒だけ鳴らして意図的に切断します。着信履歴を見た利用者が「大事な連絡かもしれない」「誰だろう」と折り返し発信(リダイレクト)をかけた瞬間、日本の通信事業者からカンボジアの現地通信キャリアを経由する高額な国際通話回線に接続されます。この接続通話料は発信者(あなた)に全額請求され、その通信料の一部が「接続料の分配」や「付加価値通信サービス(プレミアムレート番号)」のキックバックとして、海外通信キャリアから詐欺グループへと還流する仕組みが構築されています。

さらに2026年現在の手口は単なる通話料詐取にとどまりません。折り返した先で「こちらは警視庁捜査二課です」「未納の通信料金があります」といった精巧な日本語ガイダンスを流し、自動音声対話やSNS(LINE・Telegram)へと巧みに誘導し、最終的に数百万円単位の暗号資産や電子マネーを騙し取る「複合型特殊詐欺」の入り口として機能しているケースが激増しています。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。