五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)とは、1868年4月6日(旧暦・慶応4年3月14日)に発布された、明治新政府の指導方針を示す全5か条の誓いです。儀式は京都御所の紫宸殿で執り行われ、公卿や諸侯ら約400名が参列するなか、神祇官が神前で御誓文を読み上げ、明治天皇が誓約書に署名する「誓約の儀」が行われました。
この宣言が出された五箇条の御誓文の発布の理由には、切迫した国内情勢が深く関係しています。当時、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発し、旧幕府勢力との武力衝突が続いていました。新政府軍が江戸城総攻撃を予定していたまさに前日、新政府が単なるクーデター勢力ではなく、正当な新国家の担い手であることを内外に示す必要に迫られていたのです。
旧幕府の権威が失墜する一方、公家や大名たちの足並みは揃わず、新政権への不信感も渦巻いていました。そこで「天皇が自ら神に誓い、国民と一体となって新時代を築く」という形式を示すことで、全国の諸藩や国民を統合し、同時に欧米列強に対して近代国家としての姿勢をアピールすることが至上命題でした。