原作小説での特異な登場から半世紀以上を経て、日本国内におけるご先祖様のキャラクター人気は驚異的な高まりを見せています。かつては知る人ぞ知るマニアックな脇役だった存在が、なぜ今これほどまでに「かわいい」と絶賛されているのでしょうか。
その火付け役となった筆頭が、フィンランドの名窯・MOOMIN ARABIA(アラビア)のクラシックマグカップです。黒を基調としたシックな背景に、ストーブの裏から覗き込むようなご先祖様の姿が描かれたマグは、大人のインテリアに溶け込む洗練されたデザインとして発売直後から話題を呼びました。現在は生産終了(廃盤)となっているモデルも多く、ヴィンテージ市場やフリマアプリでは定価の2倍以上のプレミア価格で取引されるケースが後を絶ちません。
さらに公式ショップ「Moomin Shop」の展開を追跡すると、その人気は留まるところを知りません。公式販売データでも、以下のアイテムがコンスタントに売れ筋上位を記録しています。
- キーホルダー(ご先祖さま):1,650円(税込)
- ご先祖さまノート:2,750円(税込)
- パスケース(ご先祖さま):3,520円(税込)
- SUSHI湯呑・刺しゅうステッカー・アクスタスタンプコレクション
- もこもこボアパーカー・シルバーリング
ぬいぐるみ市場においても、あの独特の長い毛並みを再現した「もふもふ」の質感が若い女性層や北欧雑貨ファンの心を鷲掴みにしています。カプセルトイ(ガチャガチャ)で立体化された際も、SNS上では「ご先祖様が出るまで回し続けた」「無表情なのに見つめていると愛おしすぎる」といった投稿が相次ぎました。
埼玉県飯能市の「ムーミンバレーパーク」でもその熱量は顕著です。公式ファンコミュニティ「ムーミンのご先祖さま大好き族」などの熱烈な支持を受け、同パークの「SPRING FESTIVAL」ではご先祖様をモチーフにした特別メニューがリニューアル復活を果たしました。名物となったのは、「ご先祖さまの長くふさふさなしっぽに見立てたごぼうのフライ」を添えたプレートです。視覚的なインパクトと原作への愛情あふれる演出に、連日長蛇の列が形成されるほどの盛り上がりを見せています。