ネットカルチャーにおいて頻繁に拡散されるのが「劇団ひとりは西野のマルチな活動に嫉妬して攻撃していた」「西野は本気でプライベートで劇団ひとりを嫌悪している」という一方的なストーリーです。しかし、これはバラエティ番組における二人の高度な心理的役割分担を見誤った誤解と言わざるを得ません。
実際の現場において、西野 劇団ひとり 実は仲良しという噂のほうが真実に遥かに近い距離にあります。かつて西野が世間から「意識高い系」「詐欺師まがい」と激しい集中砲火を浴びていた時期、劇団ひとりの徹底した弄りは、西野を「痛烈に笑える道化」としてテレビの世界に繋ぎ止めるセーフティネットの役割を果たしていました。
一方の劇団ひとりにとっても、狂気に満ちた破天荒な芸風をすべて受け止め、打ち返してくれる相手は稀有な存在でした。攻撃側と受身側の双方が極めて高い技術を持っていなければ成立しない芸当であり、私的な感情で嫌悪し合っていたら怪我をして終わるだけです。二人が激しく罵倒し合えば合うほど、その裏底には「この男ならどこまで踏み込んでも笑いにしてくれる」という強固なリスペクトが横たわっていました。