「ハヤブサは時速300km以上で飛ぶ」という言説は広く知られていますが、その最高到達点として記録されているのが時速389km(約241.6mph)という驚異的な数値です。この記録は単なる理論値や推測ではなく、科学的アプローチに基づいた過酷な実測実験によって証明されました。
この歴史的記録を打ち立てたのは、アメリカのスカイダイバーでありハヤブサ愛好家でもあるケン・フランクリン(Ken Franklin)氏です。同氏は自ら育てたメスのハヤブサ「フライツ(Frightful)」とともに高度約5,000メートル以上の航空機からスカイダイビングを行い、急降下するハヤブサの背中に超小型のGPS高度・速度記録計を取り付けてダイブデータを計測しました。
実験において、フライツはフランクリン氏が空中で掲げたルアー(疑似餌)を目指して垂直に近い角度で完全なダイブ姿勢(涙滴型のフォルム)をとり、重力加速度を極限まで利用。その結果、急降下のピーク時に時速389kmを叩き出し、正式にギネス世界記録に「世界最速の鳥類(急降下速度)」として認定されたのです。
ただし、野生のハヤブサが日常の狩りで常に時速390kmを出しているわけではありません。野生環境での狩りにおける急降下速度は、通常時速200km〜320km前後と推定されています。それでも地上のあらゆる生物が視認すら困難な圧倒的スピードであることに疑いの余地はありません。