「うっかり朝まで装用してしまった」という事態が引き起こす眼球トラブルの正体は、主に重篤な角膜感染症と角膜内皮細胞の減少リスクの2点に集約されます。
角膜(黒目)には血管が存在せず、大気中の酸素を涙を介して直接取り込むことで新陳代謝を維持しています。しかし、まぶたを閉じる睡眠中はただでさえ酸素供給量が覚醒時の約3分の1に低下します。その上からレンズで蓋をしてしまうと、角膜は極度の酸欠状態に陥り、表面の上皮細胞が剥がれやすくなります。傷ついた角膜バリアに雑菌が侵入することで、短時間で失明に至る感染症を招く構造です。
特にワンデーコンタクトをつけたまま寝る危険性は見落とされがちです。1日使い捨てレンズは水分を多く含む低コストな素材が多く、乾燥すると目の水分を吸収して眼球に吸着します。これにより角膜への物理的圧迫と酸素遮断がさらに加速し、深刻な組織破壊を引き起こします。