日本の家庭におけるジャム作りの歴史を振り返ると、NHK『きょうの料理』で栗原はるみ氏らが紹介してきた丁寧な手仕事の文化が礎にある。素材を慈しみ、季節の移ろいを瓶に詰めるという日本ならではの家庭料理スタイルだ。
その後、2000年代以降はクックパッド (Cookpad) を通じて「レンジで5分」「皮ごと丸ごと」といった手軽さを重視した時短レシピが急増した。さらに現代では、YouTubeのハイクオリティな調理動画を通じて、フレンチの技法を取り入れた本格的なコンフィチュール作りに回帰する動きが目立つ。手軽さの追求を経て、いま生活者が求めているのは「ひと手間を惜しまず、最高峰の味を自宅で再現する悦び」なのだ。