本作の原点は、漫画家・よしながふみが白泉社の雑誌で連載した少女漫画である。原作コミックは、繊細な心理描写とウィットに富んだ会話劇、そして重層的なバックボーンを持つ男性キャラクターたちの関係性を巧みに描き出し、手塚治虫文化賞新生賞を受賞するなど高い評価を得た。
ドラマ版ではテレビ向けのアレンジが加えられつつも、原作が持つエスプリと人生のビタースイートな哲学が見事に継承された。少女漫画原作の実写化が乱立する以前の時代において、原作へのリスペクトとドラマ独自の映像美が奇跡的なバランスで融合した好例である。