言葉の解釈をさらに深めるため、言語学的な側面からうちなーぐち意味解説を進めていきます。「なんくるないさー」という音節を分解すると、沖縄方言の精緻な構造が見えてきます。
まず語頭の「なんくる」は、古語の「汝(な)がから(自分から/自ずから)」に由来し、「自然に」「ひとりでに」という意味を持ちます。決して「外部からの奇跡的な助け」や「棚からぼた餅のような幸運」を期待する表現ではなく、物事が理屈通りに、自ずとあるべき方向へ向かっていく状態を指しています。
続く「ないさ」は、動詞「成る(ない)」に、断定や詠嘆の終助詞「さ」が接続した形です。つまり、「自然と(しかるべき状態に)成るよ」という穏やかな事実の提示です。俗にインターネット上などで見かける「何来る無いさ(何が来ても問題ない)」という漢字表記は完全な当て字であり、民俗学的・言語学的な根拠のない俗説にすぎません。本来のニュアンスに即して表記するならば、「誠そーけー自然(なんくる)ないさ」と解釈するのが学術的に正確です。