普段飲んでいるあの飲み物に、なぜこれほど大量の砂糖が溶け込んでいるのでしょうか。「それほど甘ったるく感じない」という味覚の錯覚こそが、飲料メーカーの高度な処方技術であり、同時に消費者が陥りやすい盲点でもあります。
人間は液体が冷えていると甘味を感じにくくなる生理的性質を持っています。さらに、炭酸ガスの強い刺激や、クエン酸・リンゴ酸などの爽快な酸味料が組み合わさることで、脳の甘味受容体に対するブレーキが外れてしまいます。常温で炭酸が抜けたコーラを飲んだとき、耐え難いほどの甘ったるさに驚いた経験は誰しも一度はあるはずです。強烈な冷たさと炭酸のキレが、過剰な糖分を「爽やかな喉越し」へとカモフラージュしているのです。
さらに見過ごせないのが「野菜ジュースの糖質と真相」です。パッケージに「1日分の野菜」「砂糖不使用」と大々的に記されている製品でも、裏面の栄養成分表示を確認すると、1パック(200ml)あたり15g前後の糖質が含まれているケースが珍しくありません。
加工の過程で野菜本来の持つ不溶性食物繊維が搾りかすとして取り除かれ、消費者の嗜好に合わせた飲みやすさを確保するためにリンゴやブドウなどの濃縮還元果汁がブレンドされます。結果として、野菜の抗酸化物質を摂取しているつもりが、実際には「高濃度の果糖液」をダイレクトに吸収しているのと同義になってしまうケースが後を絶ちません。