理念としては理想的に思える縦割り保育ですが、実際の利用者の口コミや保護者アンケートでは、ネガティブな体験談が散見されます。調査で浮き彫りになった「後悔の理由」は、主に3つのパターンに集約されます。
第1の理由は、「年長になった我が子がお世話係に固定され、本人のやりたい遊びが制限された」という不満です。責任感が強く優しい子どもほど、保育士の手が回らない場面で下の子の着替えを手伝ったり、ぐずる年少児をあやしたりする役割を担わされがちになります。結果として、本来なら年長期に熱中すべきダイナミックな創作活動や複雑なルールのある集団遊びに集中できず、「我が子が保育の補助員にされているのではないか」と親がストレスを抱えるケースです。
第2の理由は、体格差に起因する怪我やトラブルへの恐怖感です。3歳児と5歳児では、平均身長で約15cm、体重で約6〜8kgもの差があります。園庭を全速力で走る5歳児と、足元の覚束ない3歳児が激突すれば、年少児側が骨折や頭部打撲などの大怪我を負う危険性は否定できません。現場の保育士が動線を把握しきれず、死角が放置されている園では、怪我の発生率が高まり保護者の不信感に直結します。
第3の理由は、小学校入学時の「小1プロブレム」への不安です。縦割り保育では子どもそれぞれのペースに合わせた個別活動が多くなる傾向があります。そのため、小学校に入学した途端に求められる「45分間着席する」「全員で一斉に同じ指示に従う」「同学年横並びでの競争」という環境変化に馴染めず、子どもが立ち往生してしまったという後悔の声が報告されています。