大阪の地形における最大の特徴は、市域の西半分に広がる「海抜ゼロメートル地帯」と、市街地を貫流する淀川、大和川、安治川、木津川といった一級河川の存在です。大阪市津波ハザードマップを詳細に確認すると、防潮堤が完全に機能している状態と、地震動で水門や堤防が破損した場合とで、被害エリアの広がりが劇的に変化することが分かります。
防潮インフラが損傷した場合の南海トラフ地震による大阪府の浸水区域シミュレーションでは、西淀川区、此花区、港区、大正区、西区、浪速区などの広範囲で最大浸水深が建物の2階以上に達する予測が示されています。さらに警戒すべきは、津波が河川を逆流して内陸へと駆け上がる「河川遡上(かせんそじょう)」です。海岸線から数キロメートル離れた内陸であっても、川沿いの堤防を越水した濁流が住宅地へ浸入するリスクを孕んでいます。