なぜ居酒屋のするめの天ぷらは柔らかい?油はね爆発を防ぐプロの揚げ方

なぜ居酒屋のするめの天ぷらは柔らかい?油はね爆発を防ぐプロの揚げ方

なぜ居酒屋のするめの天ぷらは柔らかい?油はね爆発を防ぐプロの揚げ方の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でまとめました。

居酒屋で食べるするめ天の柔らかさに感動した人が、スーパーで乾物のスルメイカを買ってそのまま衣をつけて揚げると、ほぼ確実に失敗します。カチカチに硬くなり、噛み切るのも一苦労という事態に陥る最大の原因は、そもそも「使っている素材」が根本から異なる点にあります。

食文化の調査データや大阪の老舗居酒屋関係者の証言によると、するめの天ぷらは関西のソウルフードとして約半世紀以上前から親しまれてきました。その発祥とされる大阪の立ち飲み屋や大衆酒場で使われていたのは、硬い素干しのスルメではなく、すでに調味料で味付けされ繊維が柔らかくほぐされた「ソフトさきいか」でした。

つまり、居酒屋のおつまみするめ天の多くは、乾物を苦労して戻したものではなく、あらかじめ加工されたさきいかに天ぷら衣をくぐらせてサッと揚げたものなのです。この事実を知らないまま乾物のあたりめを直接油に投入してしまうことが、家庭調理における最大の落とし穴となっています。

もちろん、割烹やこだわりの居酒屋では本来の乾物スルメを一から仕込んで提供する店もあります。その場合は後述する「プロの戻し技術」を駆使しており、素材の選択と下処理の段階で勝敗はすでに決まっているのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。