「全国相互利用に対応しているから、どこまで行っても問題ない」という認識には、重大な盲点が存在します。ネット上でも誤解されやすい代表例が「エリアまたぎ利用の制限」です。
Suica・PASMOを含む全国10種類の交通系ICカードは相互利用が可能ですが、これは各エリア内での利用に限られます。例えば、首都圏エリア(Suica・PASMOエリア)からJR東海のTOICAエリアへ、改札を出ずにそのままICカードで乗り通すことは原則としてできません。熱海駅(JR東日本)から三島駅(JR東海)へ移動するような短区間であっても、エリア境界を跨いで乗車すると自動改札機でエラーとなり、降車駅の有精算窓口で全区間の運賃を手動精算する手間が発生します。
また、ポイント還元に関する誤解も根強く存在します。「PASMOを使ってJR線に乗っても、東京メトロのポイントは貯まらない」という点です。乗車ポイントは、あくまで「そのポイントプログラムを運営する事業者の路線」に乗車した際にのみ付与されます。JR東日本の路線に乗ってポイントを貯めたいのであればSuica(JRE POINT連携)が必須であり、私鉄・地下鉄でポイントを得たいのであれば対応するPASMOのポイントサービスへの事前登録が不可欠です。