社会人の間でしばしば議論を呼ぶのが、「会社から投票証明書の提出を求められた」というケースです。勤務先によっては、社員教育やCSR活動の一環として投票を奨励し、提出した社員にインセンティブを付与したり、シフト調整の条件に設定していたりすることがあります。
法的な観点から整理すると、労働者に対して投票証明書の提出を義務付ける法律は存在しません。公職選挙法第73条では、労働者が勤務時間中に投票へ行く時間を請求した場合、使用者はそれを拒んではならない(公民権行使の保障)と定めていますが、会社側が事後的に投票の事実を強制的に証明させる権限までは与えていません。
とはいえ、社内規定で「投票証明書を出せば特別休暇を認める」「人事評価ではなく投票推進の集計用として回収する」といったポジティブな制度であれば違法とは言えません。もし提出を強制されたり、提出しないことで不利益な扱いを受けたりする場合は労働基準法違反の恐れがあるため、企業のコンプライアンス窓口や労働基準監督署への確認が必要です。