学生街では古くから、その勉強量の多さから「小平の墓場」「津田マン」などと学生自らが自虐的に呼ぶ独特のカルチャーが存在しました。娯楽の誘惑が少ない小平の地で、朝から晩まで課題図書と格闘する厳格な学習姿勢を指した言葉です。
取材に応じてくれた在学生(学芸学部国際関係学科3年)は、現場の実情についてこう語ります。
「入学前は『女子大でのんびりキャンパスライフ』を少し期待していましたが、最初の学期でその幻想は吹き飛びました。1回の英語の授業でペーパーバック数十ページを読了してレジュメを作成するのは序の口。ゼミでは1クラス5〜8人程度なので、準備を怠れば一瞬で露呈します。当てられない日などありません」
また、大手外資系コンサルティングファームで活躍する卒業生(2022年卒)も、大学時代の鍛錬を述懐します。
「当時は課題の量に泣きそうになる夜もありましたが、社会に出てからその価値を骨身にしみて実感しました。膨大な英語の一次資料を短時間で精読し、論理的なサマリーを作成して自分の意見をプレゼンする。この社会人として最も要求される基礎筋力が、学部4年間で無意識のレベルまで刷り込まれていたのです」
SNSや知恵袋などでは「津田塾は課題が多すぎてサークルやバイトができないのでは」という懸念も見受けられますが、実際には一橋大学や東京外国語大学などの近隣国公立大とのインカレサークル活動に打ち込む学生も多数存在します。遊興に溺れることなく、メリハリをつけて自己研鑽に励む学生コミュニティの気風こそが、数値化できない同校の最大資産です。