タレント出身でありながら、本格的な役者として全国のお茶の間に認知された最大の契機は、橋田壽賀子脚本の国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)へのレギュラー出演でした。
山田雅人が演じた坂田健治役は、野村真美演じる四女・葉子の夫(のちに別荘売買を巡る展開など変遷を経る人物)などで物語に深いアクセントを与える重要キャラクターでした。長セリフと独特の間が求められる過酷な橋田ドラマの現場において、山田雅人はNGの少なさと誠実な役作りで制作陣から絶大な信頼を獲得。単なる賑やかしのタレント枠ではなく、骨太な実力派俳優として評価を固めました。
1961年1月生まれ、現在65歳を迎えた山田雅人のキャリアを振り返ると、落語家の門を叩き、ラジオパーソナリティで頭角を現し、アイドル的タレントを経て役者、そして語り部へと脱皮を繰り返してきました。決して一つの肩書きに安住せず、自らの表現者としての筋肉を鍛え続けてきた足跡は、同世代のタレントの中でも際立った異彩を放っています。